幹事クリタのコーカイ日誌2002

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6月18日 ● アメリカとサッカー。

 アメリカは1994年にW杯を開催しました。FIFAとしては、サッカー未開の地であるアメリカにサッカーブームを巻き起こして、サッカービジネスをさらに巨大なものにしたかったのでしょうが、残念ながらその目論見は成功したとは言えません。

 相変わらずアメリカでは4大スポーツが人気を博し、サッカーはマイナースポーツのまま。W杯後に誕生したプロサッカーリーグMLSはビジネス的に成功しているとは言えません。ただ、アメリカサッカーは、プロリーグができたことで着実に強くなってきています。1954年大会から1986年大会まで9大会連続で予選敗退を繰り返していたのに、1990年に本戦出場すると、地元開催の1994年はBEST16、前回はグループリーグ敗退ながらも善戦、そして今回ついにBEST8入りを果たしました。この成功はMLSの存在抜きには語れません。日本サッカーの強化とJリーグが密接にリンクしているのと同じです。

 アメリカのサッカーはその国民性か、ピューリタン的な爽やかさと明るさに満ちている気がします。基本的には組織的なサッカーですが、一本気でケレン味のない、いやらしさやずるさもないサッカーです。欧州にも南米にも似ていません。強いて言えば、メジャーリーグベースボールに似ています。強いのか弱いのかと言われれば、決して強そうには思えないのですが、見ていてどこかスカッとするような雰囲気を漂わせているチームです。

 なんと言っても、アメリカサッカーの一番の特徴は、国民の期待を背負っていないところです。W杯に出場してくるような国は、どこもサッカーは人気スポーツであり、その勝ち負けに国民が一喜一憂しているところばかりです。アルゼンチンにとってサッカーは「唯一の光明」だったそうですし、日本に負ければロシアでは暴動が起きるのです。イギリスではベッカムが骨折すれば首相までがコメントしてしまいます。もちろん日本のバカ騒ぎぶりは今さら言うまでもありません。

 しかし、アメリカでは誰もそんな騒ぎを起こしません。アメリカ代表チームは、アメリカという国家を代表しているわけではなく、アメリカのサッカー愛好家を代表しているに過ぎないからです。だからこそ、アメリカチームは伸び伸びと楽しそうにサッカーをしているように見えるのでしょう。スーパースターや大金持ちになれるわけでもない、マイナースポーツだからこその自由さと伸びやかさをもって楽しげにプレーしています。観ていて気持ちよいのです。

 それとともに、様々なことが「グローバリゼーション」=「アメリカナイゼーション」である中で、サッカーではアメリカがスタンダードではないことも、逆にアメリカチームに好感を抱かせる原因のような気がします。アメリカだけど「偉そう」ではないのです。ま、そんな見方をしているファンは少ないかも知れませんけど。


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