幹事クリタのコーカイ日誌2002

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12月18日 ● パパの倉庫。

 以前話題にした会社の同僚Y田さんの「パパのひとり暮らし計画」は、最終的に1Kで家賃共益費込み3万5千円という格安物件を奥さんに提示したもののあえなく却下されてしまい頓挫。そのまま諦めるかと思っていたところ、なんとそこからしぶとく食らいついて、部屋ではないものの倉庫を借りることの許可を奥さんから得たのです。コンテナをトランクルームにしているところで、6畳分のスペースで月1万円だそうです。

 住むことはおろか、扉を閉めてしまえば真っ暗になってしまうので子どもの秘密基地にすらならない単なる物置に月1万円、年間で12万円の出費。冷静に考えると決して安くはないと思うのですが、家賃8万円弱から始めてずっと交渉を続けてきた成果か、ついついシビアな奥さんも1万円ポッキリという価格に騙されてしまったようです。

 なにはともあれ「パパの倉庫」は生まれました。早速Y田さんは家にある不要なモノを毎日せっせとクルマに積んで倉庫に運び込んでいるそうです。小さくなって着られない子ども服、デザイン遅れの古着、使わないパソコンラック、新しく購入したために不要になった家具、シーズンしか使わないストーブや扇風機などなど、倉庫には続々とY田家の「ほぼ粗大ゴミ」たちが運ばれていきます。パパは「マンションが広くなった、階段や廊下に足の踏み場ができた」と喜んでいますが、家族5人が住んでいれば、その新しく空いたスペースにまたモノが積まれるのは必定です。そんなささいなスペースなど砂上の楼閣に過ぎません。

 そもそもY田さんが倉庫に運んで悦に入っているモノたちは、全て捨てて良いものばかりのはずです。本当はさっさと捨てれば良いのです。わざわざゴミを年間12万円も出して保存しておくことに何の意味があるというのでしょうか。奥さんはすでに気づいているようで「騙された、あんなもの借りるくらいなら、毎年新しく扇風機買った方が安い」と言っていました。全くその通りです。

 それでも倉庫に意味があるとすれば、それは仕事でも家庭でもストレスに晒されているY田さんの精神安定剤としてです。Y田さんは毎日倉庫に行くそうです。自分の部屋でこそないものの、そこには確かにパパだけのスペースが存在しているのです。倉庫で運び込んだモノたちを眺めてはリラックスした一時を満喫しているのです。一家の大黒柱のストレス解消に月1万円と考えれば、実はそれほど法外な値段ではないのかも知れません。

 

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