タイトルは「アトムの子」ではありません。それは山下達郎。「アコムの子」とは、消費者金融のアコムの広告に出ている女の子、確か小野真弓とかいうタレントのことです。ＣＭはかなり頻繁に流れているのでご存知の方がほとんどでしょう。

　「はじめてのアコム♪」という音楽とともに、アコムの制服を着た彼女が妙に明るく元気に仕事しているＣＭです。僕は彼女が登場した頃からずっと気になっている存在でした。ＣＭの意図するところはよくわかります。「サラ金」の敷居を低くして、学生でも気軽にアコムの店頭を訪れて欲しい、だからこんな元気で明るく親しみやすい女の子が待っていますよ、ということです。

　その企画意図に見事にはまっているのがこの「アコムの子」です。決して美人じゃないけれど、親しみやすく明るく気取っていない、ＣＭが狙っている学生層よりも、もっと上の中高年のお父さん世代に受けが良さそうな女の子像です。不倫したいというよりも「あんな娘が欲しいなぁ」という受け方です。

　今どきちょっといないでしょ、素朴・純真・清潔・正直・元気・明朗・快活・誠実なんて言葉がぴったり当てはまる女の子。援助交際どころか不純異性交遊すらしてなさそうな20代前半。ただ僕にはあまりにもその「理想の娘」的なところが心配というか鼻につくというか、「テメエぶってんじゃないよ！」と怖いお姉さんたちにいじめられそうな気がして仕方ないのです。

　例えば同じブリッコしていても、さとう珠緒はアッパレです。あれは「男を転がしています」ということに自覚的ですから、わかりやすいしキャラとして成立しています。嫌う人もいるでしょうが、女性からも一定の支持は受けることでしょう。しかし「アコムの子」は、あくまでも男の目から見た理想像ですから、リアリティが感じられません。「いるわけないじゃん、あんな子」と言われてしまいます。

　そんな彼女も去年実はグラビアでセミヌードに挑戦しています。僕も見ましたが、残念ながらあまり色気は感じませんでした。そして、今度は『ムコ殿２００３』にもチョイ役で出演しています。三浦理恵子の後輩ＣＡとして登場していましたが、どうせあれだけ実験的なドラマなんですから、スッチーではなくアコムの制服を着て出てくれば良かったのにと思いました。いずれにしても「アコム」だけではなく積極的に打って出ようということのようですが、アコムのイメージが強いだけにどう展開していくのか難しいことでしょう。