幹事クリタのコーカイ日誌2004

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3月25日 ● 社会保険庁を呼べ。

 江角マキコが国民年金未加入のくせに偉そうに「年金払えよ」と凄むCMの件。広告代理店勤務のコピーライターとしては、なかなか他人事ではない事件だけに注目していたのですが、ここにきて民主党の菅“違い”直人代表が、江角を国会に参考人招致しろ、と言っています。

 「党内には「菅氏の勇み足」(幹部)と冷めた声もある。」という通り、これはいかにも菅らしいパフォーマンス臭プンプンの発言。そりゃ年金を払っていないでCMに出ていた江角がダメダメなのは誰しもわかるけど、彼女を国会に参考人招致して何がわかるというのか、普通に考えれば話題作りだけで無意味なことだと誰でも思います。なのにそんなこと言い出す菅だからこそ、今さら蓮舫を参院選に担ぎ出したりするんだよなぁ。

 今回の江角の一件、まず問題は社会保険庁はどうして江角が未加入だったかを調べなかったのか、ということです。タレント事務所や広告代理店に確認するよりも、自分たちで調べた方がはるかに正確で迅速でしょう。広告代理店の言うことを鵜呑みにしていたとしたら、社会保険庁は自分の頭の上のハエも追えないただのアホです。

 事務所と広告代理店は多分江角が国民年金を払っていたかどうかなんて大して気にもしていなかったでしょうね。なにせ江角は天下の研音です。唐沢寿明や竹野内豊や反町隆史や山口智子を抱える研音です。官公庁の競合プレゼンということで、きっとかなり格安の契約料で江角を出したかもしれません。となると、ガタガタうるさいことは言わせない、という超強気な姿勢だったと想像されます。

 官公庁というのはなぜかタレント好きです。広告の企画というのは、いかに低予算で有名なタレントを使うかだとお役人は思っているかのようです。恐らく役人は面白いアイデアとか広告のセンスの良さとかについては判断できないので、タレントの知名度だけを優劣の基準にしているのでしょう。当然広告代理店も予算内でいかに知名度の高いタレントを提案できるかが勝負になりますから、年金を払っていようがいまいがそんなことで贅沢を言ってられないと考えての提案だと思います。

 タレント事務所や広告代理店が悪くないと言っているわけではありません。また年金を払っていない江角自身を擁護する気も毛頭ありません。彼女は今回の件でタレントとしての価値が暴落して、それなりの対価を払わされることでしょう。事務所も売り上げが落ちるし、広告代理店も後始末が大変だと思います。少し同業として同情はします。しかし、4割が払っていないと言われる国民年金なのですから、江角だけが特別なわけでもありません。払っていない可能性も40%の確率で考えられるのです。

 となると、やはりタレントを提案されて決める前に、ちゃんと年金を払っているかどうかチェックしなかった社会保険庁が今回の騒ぎを引き起こした一番の原因だと思います。有名タレントが安く出てくれるから、というだけで、ホイホイと江角に乗ってしまった社会保険庁こそ、その安易な姿勢の責任を負うべきでしょう。国会に呼ぶのなら社会保険庁長官を呼ぶように菅は言わなければなりませんでした。


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