日本の鉄道史上最悪と言うべき列車事故が起きました。マンションにくの字にめり込んだ列車の無惨な姿を見るだけで、乗っていた人たちがどんな目に遭ったのか、想像するだけでも恐ろしいことです。しかも先頭車両はその姿さえ見えず、マンションの駐車場にもぐり込んで潰れていると言うのですから、救出作業が難航するのも無理はありません。生存者がいるということですから、一刻も早く助け出されることを祈っています。

　事故原因の究明はもちろんしっかりとして貰わなければなりませんが、それで何より大事なことは、責任をどこに求めるかということよりも、こうした惨事を繰り返さないための対策を早急に打ち立てることです。なにせこれほどの事故が起きてもＪＲ西日本は操業停止になるわけではないのですから。

　一般企業がこれほどの事件を起こせば当分操業はできないことでしょう。食品会社の商品に毒物が混入されて死者が続出したら、その会社はどうなるか？自動車会社の車に不具合があって事故を多発したら、その企業はどうなるか？実際に似たような事故を起こしている会社の末路を見ればわかります。下手をするとそのまま企業は潰れてしまうのです。

　しかしＪＲを止めてしまえば、多くの人々の生活に支障が出るため、事故現場以外の路線では何事もなかったように列車は今日も明日も走り続けます。そしてその列車にみんな不安な気持ちを抱きつつも相変わらず乗っているのです。大惨事の原因もわからず対策も立てられないままに、同じように走り続けることの恐ろしさ。事故の原因は今回だけの特殊なことではなく、ＪＲ西日本全体の問題かも知れないのに。もしかしたら日本中のＪＲに共通した欠陥が見つかるかも知れないのに。それでもＪＲは走るのです。