幹事クリタのコーカイ日誌2008

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5月16日 ● エコとしてのハンカチ王子。

 僕たちが子どもの頃、出かける前に必ず「ハンカチと鼻紙は持った?」と聞かれたものでした。この2つは昭和40年代の子どもの必須アイテムだったわけです。「三つ子の魂百まで」という諺どおり、未だに僕はハンカチを持たずに外出することはありません。ごくたまに忘れて出かけた時は、どこか落ち着かない気分で1日を過ごすことになります。

 ところがうちの大学生の息子はしばしばハンカチを持たずに外出しているようです。と言うか、持っていないことがデフォルトみたいです。トイレで手を洗った後にどうするんだと聞いたら、「ペーパーか乾燥機がある」と答えやがりました。

 確かに最近の公共施設や飲食店などのトイレにはペーパータオルか、手を乾かす温風の乾燥機どちらかが備わっていることが多いです。デパートなどのトイレに入ると、大抵男性は手を洗った後にペーパーを何枚か使って手を拭くか、「ゴーッ」という音を轟かせて手を乾かしています。自分のハンカチを使って手を拭く人は一部の年配者だけと言っても良いくらいでしょう。「ハンカチ王子」が年配者に好ましく映るのも、そのせいかも知れないと僕は思っています。

 衛生的に見れば、もしかしたらハンカチを使うよりも乾燥機で乾かした方が良いのかも知れませんが、僕からするとどうも抵抗があるのです。たかが自分の手の湿気を取るのに、何枚も紙を消費したり、電気を使って乾かさなければならないかのかと。ハンカチを持ち歩いてササッと拭けば十分じゃないかと。

 エコロジーを意識してマイ箸を持ち歩くような人は、やはりハンカチも持ち歩いて無駄なエネルギーの消費を防いでいるのでしょうか?家の電気をこまめに消したり、冷房温度を2度高く設定したりしている人も、ちゃんとハンカチで手を拭いているでしょうか?

 家の電気代は節約しても、デパートの電気や紙はいくらでも使おうという人は「エコではなくケチ」です。ハンカチを持ち歩くには、ハンカチを洗濯してアイロンをかけてという手間がかかるし、ハンカチ代もかかります。若い人がハンカチを持ち歩かないのは、母親が面倒がってハンカチにアイロンもかけないせいかとも思いますが、「ケチではなくエコ」だと言うなら、まずハンカチを持つ、持たせることから始めてはどうかと思います。まあ本当に意識している人にしてみれば「いまさら」な話でしょうけどね。