幹事クリタのコーカイ日誌2008

[ 前日翌日最新今月 ]


 
7月10日 ● 週刊誌に友人が実名で書かれた。

 今週発売された某週刊誌をパラパラとめくっていたら、突然親友の名前が載っていて驚いてしまいました。高校時代、一番仲の良かった気の合う友人で、大学から彼は東京に行ってしまったので、その後の30年間はごくたまにしか顔を合わせることもありませんでしたが、それでも気持ちとしては一番の親友であることに今でも変わりはありません。

 彼は東京の某テレビ局に勤務していて、報道系を中心に歩んできました。華やかな世界はあまり似合わない朴訥としたタイプなので、制作よりは報道なんだろうなと思っていたら、その彼が週刊誌で何やら看板番組の番組プロデューサーとして、社長と近しいのを良いことに人事を好き勝手しているように書かれていました。まるでテレビドラマの悪役そのものです。

 その書かれ方は、とても彼のイメージとは合わないし、そもそも会社の人事をそんな風にどうこうできるような立場にあるかどうかも怪しいと思ったので、多分これは憶測で書かれた記事だと感じました。きっとイヤな思いをしているだろうと、久しぶりに彼にメールを送ったら、どうやらサミットの取材で洞爺湖に行っていたようで、やはりその記事に関してはちょっと参っているようです。

 本人によれば一切取材もなく勝手に書かれたそうで、つまり記事の中で彼が言ったようになっているセリフも全て捏造ということです。その週刊誌は比較的穏健で老舗の週刊誌ですが、それでもやはり週刊誌は週刊誌なんだなぁと改めて思い知らされました。

 我々広告を作っている人間は、最近の権利関係の煩さには辟易するほど気を使っています。音楽だろうが美術だろうが小説、マンガ、映画、あらゆる作品には当然著作権がありますし、有名人だけではなく、亡くなってしまった人にもキャラクターにも建物にも権利を有している人間がいて、いちいち使用許可を取ってお金を払わなければなりません。東京タワーや国会議事堂なんて、公共の建物なんだから使用許可なんかいらないだろう、なんて甘い考えは捨てなければならないのです。

 それに比べて週刊誌というのは報道の名の元にどれだけ好き勝手やってるだか、と思わざるを得ません。ジャーナリズムだからと言ったところで、結局その目的は真実の追究ではなく、あくまでも週刊誌の売り上げを伸ばすため。だったら広告と同じような商業利用なのに、好きなだけ有名人の名前や写真を利用できるのはおかしな話です。

 まして僕の友人は有名人ではなく、単なるサラリーマンです。それなのに憶測だけの記事で実名を使われて悪く書かれてしまう。それがどれだけ彼の生活に大きな影響を及ぼすのか、これを書いた記者や記事を認めた編集長は考えたことがあるのでしょうか?それとも同じジャーナリズムに携わる人間だからOKだとでも?実名を載せるのなら、せめて本人にきちんと取材して書くくらいは当然だと思うのですが、それすらしないなんて、とても信じられません。