幹事クリタのコーカイ日誌1999

 
 6月25日 ● 夏のドラマはTBSかな。

 まだ6月だというのに、フライング気味にTBS系の新ドラマ『P.S.元気です、俊平』が始まりました。フジ系『アフリカの夜』の最終回に重なるカタチでの初回というのは、かなり強気の編成という気がします。言い換えればTBSはドラマではもうフジを超えたと考えているのかも知れません。

 大昔は「ドラマのTBS」と言われたくらい、連続ドラマ作りには定評があったTBSも、トレンディドラマでフジが当てた80年代後半から、ずっとドラマは(いや、ドラマも、かな)不調続きでした。それが昨年後半あたりからフジのドラマの不調と重なるように徐々に盛り返してきています。この春ドラマでも『魔女の条件』が見事に思惑通りヒットしました。

 今年の夏ドラマのラインアップを見ても、フジよりTBSの方が元気があるような印象を受けます。KinKi Kidsの2人がそれぞれ主演する木曜10時『P.S.元気です、俊平』(堂本光一、瀬戸朝香)と金曜9時『to Heart恋して死にたい』(堂本剛、深田恭子)の2本は当然この夏注目のドラマ。ともに20代前半が主役のストレートなラブストーリーで、あえてひねりを加えないところにも自信が窺えます。

 そして大人向けには金曜10時『独身生活』(江角マキコ、佐藤浩市)。こちらは同じラブストーリーでもかなり東大卒エリートOLの裏の顔、という人生の挫折をテーマにしたひねりを加えたものになっています。またキャスティングもうまいですね。安定感のある主役級に伸び盛りの脇役を加えていて、バランスが取れています。

 対するフジは迷いが見えます。本数こそ多いものの「これだ」という決定打がつかめずに、とりあえずいろいろ出しておこうという感じですね。手堅くいったのは木曜10時『らせん』(岸谷五朗、吉本多香美)。『リング』がそこそこ当たったので、その続編で確実に視聴率を稼ごうということでしょうが、企画頼りでキャストが弱いのは否めません。

 キャストが弱いのは他のドラマも同じで、月曜9時『パーフェクト ラブ!』(福山雅治、木村佳乃)も月9としては地味なキャストと企画。TBSのようなストレートな恋愛モノを持ってこられないところに月9の迷いと地盤沈下を感じます。火曜9時『小市民ケーン』(木梨憲武、榎本加奈子)は、脇役が揃っている(吹越満、沢村一樹、伊藤裕子、羽田美智子、市毛良枝ほか)割には主役が木梨じゃ弱いでしょう。企画は面白そうですけどね。

 フジの大人向け路線では水曜9時『恋愛結婚の法則』(小泉今日子、柳葉敏郎)が最も注目です。なにせ主役2人を筆頭にキャストが豪華。柏原崇、小林聡美、北村総一郎、小雪、伊藤高史に加え、小野武彦、近藤芳正、塩見三省、八嶋智人ら三谷幸喜系コメディ俳優をずらりと揃えています。これでつまらなかったら演出の責任です。

 また日テレは今回も企画モノで来ました。水曜10時『甘い生活』(明石家さんま、高島礼子)は定番となっているさんまの女たらしコメディ。今回は高島礼子に内田有紀、千秋、小林恵が相手のようですが、ちょっとこのパターンもそろそろ飽きがきているので苦しいような気がします。また土曜9時『新・俺たちの旅Ver.1999』(森田剛、三宅健、岡田准一)は僕たち世代には懐かしい青春ドラマのリメイク。あれからもう24年経っているんですが、果たして今の世代にこの手のドラマが受けるのでしょうか。櫨山裕子プロデュースですから、注目はしていますが。

 ただどうも全体に連続ドラマは沈滞気味のようです。本数が多くなりすぎたために、俳優も使い回しなら企画も脚本も演出も新味がありません。まあつまらないドラマが多いとテレビをあまり見なくてすむので、時間が有効に使えるという意味では助かりますけどね。 
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