幹事クリタのコーカイ日誌2007

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8月31日 ● 朝青龍を追い払った相撲協会。

 朝青龍がモンゴルに帰国しました。とうとう一言も本人は語らないままです。ファンも同僚の力士たちも結局朝青龍の思惑通りかよ、と感じていますし、とても納得できるものではないでしょうが、医師の診断を錦の御旗にして相撲協会はモンゴルへの帰国を認めてしまいました。謹慎処分は継続中ということですが、遠くモンゴルの地で朝青龍が何をしていようがわかるはずもありません。実質的には相撲協会は朝青龍を「諦めた」ということです。

 日本に朝青龍をとどめておいては、相撲界はいつまでたっても正常化できません。秋場所に向けて時間もない中、きちんと本場所を興行するためには朝青龍問題は余計な雑音でしかありません。早くマスコミの目の届かないところに追いやって、本来のカタチに戻したかったのだろうと思います。

 もっと言えば、相撲協会としては問題児の朝青龍がこのまま戻ってこなければ良いと考えているに違いありません。いくら悪役として注目を集めるとは言え、朝青龍は劇薬です。取り扱いを間違えれば相撲協会は世間の非難をいま以上に浴びてガタガタになってしまいます。白鵬が横綱になったいま、もはや朝青龍を無理して残す必要はありません。日本にいれば八百長問題など余計なことを喋るかも知れませんから「モンゴルから帰ってくるな」というのが相撲協会の本音でしょう。

 このまま朝青龍の病気が治らないということで引退でも良いし、もしくはモンゴルで謹慎処分を破るような行動をしたとして廃業させても構いません。力士の廃業はたとえ横綱と言えども親方の独断で届けを出せますから、北の湖理事長は高砂親方に因果を含めて朝青龍を引退にしてしまうことでしょう。しばらくは世間は騒がしいでしょうけど、1ヶ月もすればすっかりみんな忘れてしまいますから問題ありません。思惑通りに帰国できたと朝青龍は喜んでいるかも知れませんが、実は思惑通りだったのは北の湖理事長の方だと思います。まあ、身勝手という意味ではどっちもどっちですが。

 以上は僕の推測というよりは憶測ですが、これによって朝青龍報道が沈静化し、本来の土俵に注目が戻るなら、これはこれで良いと思っています。せっかく琴光喜が新大関の場所です。ちゃんと相撲を見たいし、相撲のことを報道してくれと、相撲ファンとしては願っています。