幹事クリタのコーカイ日誌2007

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8月29日 ● 舛添要一の入閣は是か非か。

 安倍改造内閣が発表されましたが、予想通りの「安倍延命内閣」でした。人心一新をテーマにした割にはやたらと留任は多いし、派閥の領袖クラスを揃えた重量級と言いますが、昔の「三角大福中」の頃の派閥の領袖とは今は全く重みが違います。総理総裁を狙っていないただの番頭を「領袖」とは呼ばないで欲しいものです。しかも党三役は相変わらず自分の大好きな「お友達」で固めてしまっていますし、一体何をどうしたいのか意味不明な組閣だと感じました。

 そんな中、今回の「目玉」と言われているのが、増田総務相と舛添厚生労働相。民間から登用された前岩手県知事の増田総務相は「地方対策」のため、そして安倍首相を批判し続けてきた舛添厚労相は「マスコミ受け」と「懐が広い安倍首相」をアピールするためです。

 増田総務相はこの首相の下で果たしてどれだけ力を発揮できるのか、とは思いますが、まあまだ良いでしょう。問題は舛添です。彼としては批判するだけではなく、中に入って内閣を変えていくことを選んだつもりなのでしょうが、外から見たら「取り込まれてしまった」感は拭えません。牙を抜かれてしまわないかとても心配です。

 今回の安倍首相の一連の言動に対し、舛添の批判は実に納得できるものでした。自民党の議員であれほど筋の通った批判をしていた人は僕は知りません。だからこそ、安倍としては舛添を入閣させることで、先述したように「懐の広い首相」をアピールするとともに、閣僚にしてしまうことで自分への批判を封じ込め、しかも母親の介護という舛添のアピールポイントを使って厚生労働相というポストにつけることで、年金問題の責任も背負わせてしまおうという魂胆です。

 一石三鳥の舛添入閣は、そういう意味では安倍首相にとっては確かに今回の改造内閣の「目玉」なわけですが、舛添とてそれが全くわからないほどボケてはいないでしょう。それでも入閣の求めに応じたのは、本当に内閣を内側から改革できると思っているからなのか、それともやはり大臣になれるものならなりたかった「大臣病」なのか。まあ今後の舛添の活躍次第で、どういうつもりだったのかはきっとわかることでしょうから、楽しみにしていたいと思います。